【判例紹介】問題社員の解雇が有効となったケース

問題社員と言えど懲戒解雇するにはハードルが高いです。

解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。

労働契約法 第16条

このように、社会通念上相当であると認められない限り解雇はできません。

また、就業規則でどのような行為をすれば解雇事由となるのかを網羅しておかなればなりません。

本判例では、この条文に基づいた解雇に当たるのかが争点となりました。

判例:問題社員の解雇

営業職として採用され、2年半の間に就業規則の遵守事項に違反する多数の行為を行いました。

  • 朝営業先に直行しない
  • 新規営業をしない
  • 職務怠慢を正当化する発言
  • 上司の営業同行の拒否
  • 社内で脅迫的な言動
  • 社有車の職務外使用
  • 備品の乱暴な扱い
  • 勤務時間中に私用行為
  • ガソリン代の不正請求

これらの行為を行ってきました。

私はこれなら解雇になっても仕方がないという感覚ですが、1審では解雇が無効と判決が出ました。

2審で解雇が有効とされ、最高裁は上告不受理とし、確定しました。

1審と2審で判決に違いがあるので、所長の作成した『指導メモ』が信用できるか否かが大きなポイントでした。

1審では信用できず不採用とされ、2審では採用されました。

まとめ

本判例では、『指導記録』が残っていたため解雇が有効とされました。

もし残っていなかったらどうなっていたか分かりません。

『指導記録』も含めて、労働に関する重要な書類は3年間の保存が労働基準法により義務づけられています。

『指導記録』の保存がどうなっているか確認してみてはいかがでしょうか?

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